教会だより

No.53  2016年12月11日

イエスさまが真ん中にいると

牧師 石田 透

 ベツレヘムの町はずれに小さな宿屋がありました。その宿屋の端っこにある馬小屋の中で、生まれたばかりのイエスさまがすやすやと眠っています。小屋の中には明かりなどありません。窓の隙間から星の光が少しだけ差し込んでくるだけです。でも薄 暗い馬小屋もイエスさまがいるおかげで、不思議なことにそのあたりは明るくあたたかくされているのです。イエスさまが真ん中にいると、優しさと静けさと満ち足りた気持ちがあたりを支配するのです。そしてイエスさまを心の真ん中に迎えいれた人は心あたたかくされ、心が豊かになり、示された道を元気に前に向かって歩みだすのです。

 野原で羊の群れの番をしていた羊飼いたちは、星に導かれてイエスさまのところにやってきました。遠い東の国の博士たちも何日もかけて旅をして、ようやくイエスさまのところにたどりつきました。星の光が彼らの足もとを照らし、ゆくべき道を示してくれたのです。

 ヨハネ福音書の記者ヨハネは、イエスさまのことを「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。」と言いました。その光が照らしているのはすべての人です。私たち一人ひとり、そしてこの世界に住むすべての人々。そのすべての人の足もととその心を、イエスさまは「光」として照らしていてくださるのです。

 「光」を「愛」という言葉に置き換えてみましょう。「その愛は、まことの愛で、世に来てすべての人を愛するのである。」となります。イエスさまが愛してくださるのはすべての人だとヨハネは言うのです。すべての人を愛する真実の愛は、愛されている人すべてが、互いに愛し合い、大切にし合うことを求めています。そのことが、その光が世に来た目的なのです。自分は誰からも愛されていない、愛されたことがないという人。また誰のことも愛したことがない、これからも愛するつもりなどないという人。その人たちを含め、私たち一人ひとりをも含め、すべての人をこのイエスさまという方はご自分の命を与えるほどに愛してくださり、大切にしてくださるのです。

 イエスさまがお生まれになった夜、イエスさまに出会った人たち、マリアとヨセフ、羊飼いたち。そして何日かあとになってやってきた東の国の博士たち。みんな不思議に心が満たされ、心あたたかくされました。そしていつしかこの方に愛されているすべての人は、互いに愛する人に変えられていくのです。言い争ったり、憎んだり、心の中でねたんだり、ケンカばかりしないで、世界中のすべての人がみんな手を取り合って仲良く生きていくことができたら、どんなにすばらしいでしょうか。それがイエスさまの願いであり、イエスさまのお誕生を祝う私たちのお祝いの仕方なのです。

 一人ひとりの心の中にイエスさまが来てくださるように祈ります。そして世界中のすべての人が平和でいられますように、心から祈ります。